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2016.12.10.

同人ゲームを製作してゲームマーケットに出展するに当たって必要なこと【その2】

2分割の記事の2つ目です。その1は下記からどうぞ↓
http://ouyuuan.cloud-line.com/blog/2016/12/29313/ 


宣伝・告知
これも重要です。沢山のサークルさんが出展している中では、大切なことです。知ってもらえないとそもそも買ってもらうこともできませんので…。
これに関して、とある製作者さんが言われていて、印象に残っていることがあります。

それは「宣伝は後に回すとやらなくなってしまう」ということです。
製作作業は、始めるとイベントが終わるまで(終わっても?)ずーっと忙しいものです。やらなければいけないことは山ほどあります。そのような状況の中で、
マニュアル書きや丁合、梱包などは、後回しにしても、やらないとゲームが完成しませんので、絶対にやります。
でも宣伝は後回しにしてしまうと、他の作業に押されているうちに余裕がなくなり、やらなくなってしまいます。なので、早い段階から隙間の時間を見つけるなどして、宣伝にも多少は時間を割いておくべきだと。じゃあその宣伝はどうやってやるの?という話ですが。

やっぱりインターネットによるものがメインになりそうです。
・ゲームマーケット公式ブログにアップする。
ここにブログを書いた後は、自分のサイトのアクセス数も跳ね上がったりしますので、効果は大きいです。しかしゲームマーケット開催が近づくにつれ、沢山のサークルさんが更新するので、記事の流れる速さが上がります。
更新するときには、文字だけでなく、必ず画像や写真を入れるようにした方が良いです。あとはサークル名やサイトのアドレスや頒布価格など。
参考までに、ウチの場合は公式ブログに書くのは、
・ゲームの登録
・ルール公開
・予約開始
・直前にブース情報まとめ
ぐらいの感じで、4-5回ぐらいでやっております。
Twitter・ブログ
自前のページもあった方が良いでしょう。ホームページ、もしくはブログ。無料なのに綺麗なレイアウトで作れるところも多いです。jimdoとかcloudlineとか。ちなみにウチのこのサイトはcloudlineで作成しました。今までホームページやブログなんてやったことなくても、ある程度のものは作ることができました。
あとはTwitter。こちらも結構主流だと思われます。何より手軽に投稿できるので、マメに情報を発信することができます。

動画
私はそういったスキルが全くないので、残念ながらできておりませんが、効果はかなりあると思います。いくら文字で伝えようとしても限界がありますが動画ならば一発です。特にコンポーネントが目を惹くような物の場合は効果抜群です。動画を作る場合はまずは短めのものが良いかと。2分ぐらいに概要や魅力を詰め込んだもの。そこで興味を持ってくれた方向けにより詳しい内容のもので長いものを作るというような感じが良いと思います。

宣伝の項目とは少し違う気もしますが、もう1つ出展すると決めてからやったことがあります。それは、オープン会に遊びに行くということでした。今まで身内でしか遊んでいなかったので、所謂ボードゲームギョーカイに製作者の友人知人はおろか、そもそも知り合いなど1人もいない。それではあまり良くないのではないかと思い、オープン会に顔を出すようになりました。そこで色々な方と遊んだり、二次会とかでおしゃべりをしているうちに、非常にありがたいことに交遊の輪が広がっていきました。
ゲームを作っている方もゲーム会に来ていることも多く、また最近ではテストプレイ会なんかもあったりするので、色々アドバイスをもらえたりもしました。作り始めてから出てきた製作の悩みや愚痴めいたものも相談しやすかったりするので、そういった交流の場は本当にありがたいです。

と、色々書きましたが、宣伝はほどほどに。やり過ぎてしまうと逆効果になることもあります。
また、とても面白そうに書いてあったゲームを実際遊んでみて、おや…?と思うようなことがあると受けるダメージはより大きくなるというようなこともありますので、やっぱりルールを作り込む方が大事ではあると思います。


丁合
納品の
方法次第ですが、納品されたあとにこの工程が入るところが多いのではないでしょうか。Aの束が500枚、Bの束が800枚、Cの束が1000枚届いて、その中から1箱につきAを5枚、Bを8枚、Cを10枚取って箱に入れて…みたいなやつです。同人誌とかなら納品されたものをそのまま送ってしまえば良いのでしょうが、ボードゲームだとそうはいきません。
カードを仕分けて、キューブを仕分けて、タイルを抜いて、説明書を入れて…。コンポーネントの種類や個数が多ければ多い程、この作業の量が増します。工程ごとの時間を計測して逆算するとここまでで◯時間かかるからゲームマーケット前の休日が◯日吹き飛ぶでしょ?と見積もったりするとなかなか思うところがありますね…。


発送
箱に詰めるところまで終わったら、ダンボールに詰めて発送します。ちゃんと梱包しないと、途中で箱が開いてしまって中身がバラけたり、破損したりする可能性もあるので、気をつけてください。緩衝材も入れた方が良いでしょう。


当日の
ブース設営
必要なものは色々あります。
・ブースを
飾り付けるもの
ガムテープやハサミやマジックなどの文房具一式
・お釣りを入れるケースや手提げ金庫
お釣り(頒布価格に合わせて。1000円とか2000円とかなら楽なのですが、1700円とかだとかなり大変です…そういったことも考えつつ頒布価格は設定しましょう。)
布(ブースと試遊卓のテーブルにかけるのに必要です。何もかけたりしないと寂しいので。ブースの方でオススメなのが、90×90の普通の風呂敷です。和風な感じになってはしまいますが、これがブースのサイズにピッタリでして。今後机のサイズが変わる可能性はありますが、家でブースのレイアウトを試すときなどにも重宝します)


当日(売り子、試遊卓)
人手は必要になります。1人ではトイレにもいけません。ということで最低でも2人。試遊卓をとっているのなら、そこにも1人で最低3人は必要になります。
ブースと試遊卓の距離が多少離れてしまう可能性もあります。事前の打ち合わせは欠かさないようにしてください。


GM終了後
委託をする場合はその準備です。委託するに当たっての条件を、お店側と詰めることになります。
めでた
く完売した場合は、嬉しいけれど悩ましい、再版という問題が発生します。まず再版するのかしないのか。再版するとして今度は一体いくつ刷れば良いのか。また、次のゲームマーケットに合わせて再版するのか、それともすぐに再版をかけて、委託などをお願いするのか。
さらには次回作はどうしようか…ゲームマーケットが終わってもやることは沢山あります。次を考えながら「こんなのを作りたいなあ」と考えているときが一番楽しいかもしれません。


最後に

以上、簡単ですが、自分でボードゲームを製作してゲームマーケットに出展するまでには、だいたいこういったような工程が必要になります。
また、ボードゲームを作るためには、沢山の人の協力が必要です。その点ウチはかなり恵まれていると言えます。テストプレイやデータ製作や丁合作業や当日のブース運営などなど…桜遊庵に関わってくださった全ての方に感謝しつつ、このあたりで筆を置かせていただきたいと思います。


オマケ
さて、本日がゲームマーケット2016秋当日です。

自分のゲームの説明を聞かれたときに、ちゃんと答えることができますか?

ダンボールの中にハサミやカッターを入れて会場に送り、あまつさえどの箱に入れたかわからなくなって結局ほとんどを手で開けるなんてことにはなりませんか?

会場着いたら出展受付忘れずに!最初に済ませてしまうのが良いでしょう。

今回初の試み、ふくびき券はどうするか決めました?

忘れものはありませんか?
・出展者証
・カタログ
・お釣り
・手提げ金庫
・敷き布(と、それを固定する為のもの)
・ブースの飾り付けに必要なもの
・売るゲーム
・トークンを入れる小皿
・ガムテープ
・養生テープ
・ビニール紐
・ハサミ、カッター
・ボールペンやマジックなど筆記用具
・紙
・予約リスト
・名刺
・チラシ、ポスター、ノボリ
・ポスタースタンドやポールなど
・値札
・ホワイトボードとマーカー
・のど飴
・発送したときの伝票控え
・しっかりとした睡眠
・1日立ちっぱなしでインストし続けてもへっちゃらな体力
・同じ空間に大量の面白そうなゲームが売っているというのに買いに行けない悔しさを封じ込める強靭な精神力


それでは、会場でお会いしましょう。

2016.12.10.

同人ゲームを製作してゲームマーケットに出展するに当たって必要なこと【その1】

 ※こちらの記事は「I was game」さんの企画、Board Game Design Advent Calendar 2016の11日目の記事として作成いたしました。

また、内容は以前にワンモアゲーム!の梶野さん企画の同人誌「ボードゲームおぼえがき」に寄稿した文章に加筆修正したものになります。


はじめに
桜遊庵というサークルをやっております折口と申します。ゲームマーケット秋2013で初出展いたしまして、今のところ6つのゲームを製作しております。
同人ゲームを製作してゲームマーケットに出展する場合に、どのような工程や作業が必要なのかということについて、ある程度時系列に沿って書いていきます。各項目に関してざっくりと書いているので、とてもためになる!というよりは、出展するならこういうことをやっていかないといけないんだなあぐらいに受け止めていただければと思います。


ウチの場合
まず、初出展しようと決めて動き出したときのウチの状況ですが、次のとおりです。
ボードゲームを割と頻繁に遊んでいる。結構買ってたりします。ただし遊ぶ環境は身内でのクローズ会のみで、オープン会には行ったことない。
illustratorとかPhotoshopなんて全く触ったこともない。CMYKとかRGBとかさっぱりです。
同人活動はこれが初めてで、今までに同人誌作ってイベント出たりみたいなこともしたことない。
そんな初めてだらけで出展するまでの製作過程です。
これからボードゲームを作ろうとしている方が、これを読んで何か少しでも参考になることがあれば幸いです。


出展申込
まずはゲームマーケットに申し込まないことには始まりません。ここのところずっと一次申込と二次申込の2段階制です。
ただ、会場のキャパシティとサークルの数によっては、抽選とか二次申込無しということもありますので、申込みは早目の方が良いでしょう。

申込むときには、大きく分けると、企業ブースか一般ブースか、また試遊卓をつけるかつけないかを選ぶことになります(2016秋からエリア出展なんていうのもできましたが、企業さんの中でも大きくブースを取りたいところ用ですね)。
当然ですが、試遊卓を取る場合は、売り子をする人に加えて人手がさらに必要になります。
申し込んだら入金もお忘れなきよう!


ネタ作り
出展申込をする前から動いているところが多いとは思いますが、2番目に持ってきました。ゲームを作ろうにもネタが無いことには始まりません。
テーマから考えるか、システムから考えるかとか色々と話題はありますが、今回の主題はそこではないので割愛します。
自分が好きなテーマやシステムから考えると作りやすいかもしれません。


テストプレイ
ある意味ここが1番時間をかける所かもしれません。思いついたネタをとりあえず遊べるようにしなければいけません。ウチでは100均で買ってきた白紙のカードに書き込んだものをトランプと一緒にスリーブに入れて使ったりしています。そして、準備ができたら何度も何度も繰り返してテストプレイを行います。
色んな方に遊んでもらうのがベストです。普段はボードゲームを全く遊ばない。というような人に遊んでもらうと、思わぬ意見やアイデアをもらえることもあります。もらった意見をどこまで反映させるべきなのかわからなくなったり、テストプレイをやり過ぎて自分ではもう面白いんだかつまらないんだかわからなくなってしまう、というようなこともあるでしょう。
そういった時には原点に戻ってみると良いかもしれません。もともとはどのようなゲームを作りたかったのか。そこを忘れないようにしてください。



カタログ原稿
申込みをして、入金も終わってデータ製作とテストプレイで忙しくなっているときに背後からこっそりバールのようなものを持って忍び寄って来るのがカタログ原稿です。限られたスペースでそのサークルとゲームの魅力を最大限に表す必要があり、案外時間を取られます。
理想はタイトルはもちろん、箱の絵やメインとなるビジュアルなどが完成していると良いですね。原価計算なども綿密に行い、価格が明確に決まっているなら良いのですが、見切り発車やドンブリ勘定で暫定価格を載せると、痛い目に合うのでやめましょう。痛い目にあった人が言うんだから間違いありません。



データ入稿
ここも大変な項目ですね。ウチの場合、最初の出展のときにはデザイン知識のある知人にデータの作成をお願いしてしまいましたが、以降イラストはお願いして、レイアウトは自力で頑張っています。
ソフトはillustratorを使っておりますが、全然使い方がわからなくて難儀しました。いやまあ今でも全然わかっちゃいないのですが。「illustratorの使い方」みたいな本を買ってきて、読みながら色々やってみたりしまして、最低限なんとかなりました。
illustratorやPhotoshopは結構お値段が張ります。GIMPという無料でPhotoshopのようなことが出来るソフトもあるので、色々他にも探したり、検討してみてください。


入稿・部数決定
データができたら入稿です。なるべく余裕を持って入稿したいものです。入稿したあとにデータの形式が間違っていたり、フォントのアウトラインを作成していなかったりなんていうことがあると、印刷工程に入れません。ギリギリで入稿すると修正が間に合わなくて納期が遅れてしまうこともありえますので、時間には余裕が必要です(本当に)

入稿するときにはどれぐらいの数を刷るのかも決めなければいけません。いったい何部刷れば良いのか、凄く頭を悩ませる問題だと思います。
印刷会社さんを使うのか、またどのくらいの意気込みで作るかにもよるのですが、1つの参考例として100部、もしくは200部という数字を提示いたします(アートもシステムも頑張って、化粧箱に入れて宣伝もきちんと適度に打ってるケースを想定しています)。まあこの文章をもしも参考にしていただいて200部印刷して、あまり売れなかったとしても、責任を取れるわけでもないのですが。
以前(ゲームマーケットが浅草でやっていた頃の話です)は30部とか50部を刷って、売り切るのがやっとだったそうですが、最近ではビッグサイトに移って来場者の数が増えてきたことなどもあり、300部や500部を一度のイベントで完売できるサークルさんも出てきました(羨ましい!)。ただ、最近は出展者数もドンドン増えているので、その分お客さんも分散してきているのかな?という気もしています。

また、部数と密接な関係にあるのが価格です。上手くこれら2つの
折り合いをつけなければいけません。
あまり少ない部数にしてしまうと原価が上がるので、価格を高くしなければならなくなってしまいます。そうするとお客さんも手に取りにくくなってしまう。かといって刷り過ぎると余ってしまったときに恐ろしい。見積もりとにらめっこしながら唸ることになるでしょう。
そのあたりの落としどころが重要になってきますが、とりあえず赤字になるような価格設定は避けた方が良いです。
100〜200部という数字を多いと感じるかどうかは人それぞれだと思いますが、一度のイベントで売り切るつもりではなく、2〜3回のイベントで売り切る、また委託なども見越しているのであれば、100部では少ないかもしれません。


ルールブック
自分の頭の中ではもちろん完璧にルールを把握できているとは思います。ただ、それを初めて読んだ人がすんなりと理解できるように書かなければいけないというのが、ルールブックの大変なところです。まだまだ私も修業中の身というか、実践しきれていないところも多いのですが、いくつか思うところを。
・最初に概要や流れを書く
初めにそのあたりのことがわかっていると、読み易いです。この行動はこれに繋がるからこうなんだろうな、と理解しやすいです。
・読み易かったゲームのルール構成を参考にさせてもらう
これも大事ですね。あのゲームのルールはすっと頭に入ってきたので、どのような構成で書かれていたのか参考にしてみる。という感じです。
・一度もそのゲームを遊んだことのない人に読んでもらう
頒布したものは、基本的にそのゲームを見たこともない方が遊ばれるので、こういった校正は重要ですね。
・自分で何度も何度も繰り返して読む
もちろん
当たり前のことですが。正直10回読んでも全然足りないです。読む度に誤字などの修正個所がみつかり…1ヶ所見つけたら30ヶ所みたいな感じです。
それと、ルールブックを冊子にせずに印刷所に頼む場合は、折り加工はつけた方が楽ですよ!ホントに!


その他印刷物(名刺、ポスター、チラシなど)
入稿するものは、カードや箱のデータ、ルールブックだけではありません。必要なものは他にもあります。例えば、
ポスターやチラシなどの目を引くものでもないと、あれだけのサークルさんがひしめいているビッグサイトでは見つけてもらうのも一苦労です。
名刺も大事です。他のサークルさんなどに挨拶するときにも必要になりますし、お店に委託することを検討しているのであれば、お店の方にも渡すことになるでしょう。もしかしたら海外のパブリッシャーの方が来るかもしれません。
名刺にも色々サークルさんごとの個性があって面白かったりします。形がユニークだったり、裏面などがデザインしたゲームのカードになっていたり、なんと名刺がゲームになっていたり!サークルの顔にもなるわけですから、できれば凝りたいところです。


長すぎたのか上手いこと登録できませんでしたので、その2に続きます。こちらからどうぞ↓
http://ouyuuan.cloud-line.com/blog/2016/12/29314/
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